アドセンス

ブラジルの存在感一段と増してきました

南米の雄、ブラジルの存在感が増してきました。
ロシアやインド、中国と並び「BRIOCs」という称号が与えられたのが2001年。
中印などに比べれば成長率は低く、やや地味な存在だったが、鉄鉱石など地下資源が豊富なことに加え、 世界的な金融危機も大きな混乱もなく乗り切ったことで、改めて注目が集まった。
サッカーワールドカップ(W杯)、南米初の折んぴく開催も追い風に、国際社会の表舞台に躍り出ようとしているブラジルを特集してみた。

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ブラジルのあらまし

ブラジルは、かってのポルトガル領で、南米大陸の中では唯一、ポルトガル語を公用語とする。
スペイン領だった周辺国の多くが戦争を経て独立を果たしたとは異なり、フランスの進攻逃れてブラジルに渡ったポルトガル王室のうち、皇太子がそのまま残って1822年に独立を宣言した。

植民地時代を含め菌やゴム、コーヒーなど様々一次産品のブームとその衰退に翻弄されてきたが、国営製粉所や外資系自動車メーカーが先導する形で1950年代から5年間は「ブラジルの奇跡」と呼ばれる高成長を実現している。

また、戦前、戦後と多くの日本人がブラジルへ移民しており、日本とブラジルの関わりも深い物がある。

80年代以降は大きな経済的試練に直面。放漫財政と外資に依存した経済発展モデルが破綻し、年率3ケタのインフレが常態化しました。

87年には対外債務の返済猶予に追い込まれ、93年にはインフレ率が2477%に達しました。

BRICs4カ国の中でブラジルが特異なのは、すでに高度経済成長期とその挫折を経験していること。何よりも安定成長を志向し、ブラジルに流入してくる海外マネーを歓迎しつつも警戒心を隠さないのそんな過去と無縁ではないからだ。

ブラジルの地図
ブラジルのデータ
国名ブラジル連邦共和国
面積 約851万平方キロメートル(日本の約22.5倍)
人口 約1億9000万人(2009年)
首都 ブラジリア
政治体制 連邦協和制
言語 ポルトガル語
人種 白人系50%、混血40%、黒人など他10%
国内総生産 約1兆5700億ドル(09年)
通貨 レアル(1ドル=1.7レアル)
主要産業 製造業、鉱業、農業
主な資源 鉄鉱石(生産量世界2位、石油(同16位)

ブラジル株、通貨の特徴

強さを増したブラジル経済の唯一の弱点といえるのが経常赤字です。
この理由は、もともと貯蓄率が低い国なので、好景気を反映して耐久消費財の輸入が急増しており、輸出の伸びが追いつきません。

収支を埋め合わせているのが直接投資を含めた海外からの資金流入。

こうした状況では、株、為替とも投資収支の影響を受けやすくなります。

経済全体ではリスク耐性は増していても、短期的に地理的にも近い米国の影響は免れません。

株価は証券投資収支に左右されるため、ブラジルに投資する際には、米景気の現状も合わせて見ることが重要です。

レアル債の買い方
豪ドル、南アフリカランドと並び、高金利で人気のレアル建て債です。
ただ、レアルは新興国通貨だけに海外市場の影響を受けやすい特性があります。

08年には1ドル=1.6レアル前後まで上昇していた対ドル相場がリーマンショック後に1ドル=2.3レアルまで値下がりしたこともあります。

債権の多くは非上場で、適正な利回りが分かりづらい。

現在の政策金利は10%台。格付けが高くとも、期間2,3年で金利が1ケタなら、その債権はやや金利が低いといえます。


ブラジルの技術力は海外からも注目

日本を含め、世界中から注目を集めているプラスチックを原料とする「緑のポリエチレン」があります。ブラジルの化学薬品大手プラスケンが2010年10月をめどに年間20万トン規模の商業プラントの稼働を予定しているのです。

「緑のポリエチレン」は、石油を原料とする通常のプラスチックとは異なり、使用しても計算上は二酸化炭素(Co2)を排出しません。

プラスケンの事業責任者マルセロ・ヌネス氏は「ブラジルはプラスチック原料の中東になる」と自信を示しています。

ブラジルではサトウキビを自動車燃料に転用するバイオエタノールは一般的でよく知られています。

プラスケン社はそのエタノールのプラスチック原料への転用を1980年台から研究して、植物由来の「緑のポリエチレン(PE)」の開発に成功しています。

すでに、植物由来PEには企業からの注文が集まっており。日本企業では資生堂が容器への採用を決めています。

PEで作られた容器

豊かな資源を集めるブラジルだが、植物由来PEに限らず、技術レベルで世界の先頭集団を走る物が多く、小型航空機のエンプラエルは商業機で世界3位である。

銀行のシステム機構で鍛えられた情報システム産業も世界的な競争力を持っています。

ドイツフォルクスワーゲンや米ゼネラルモーターズがブラジルで開発された車を世界展開するなど、自動車の拠点としても存在感が増しています。

資源と工業、技術が高い次元で両立する国、それがブラジルの目指す国家像です。


豊富な資源を積極活用するブラジル

国立サンパウロ大学(USP)ブラジル国内では自国の豊富な資源を有効に活用する様々な試みが積極的に行われている。
一辺が14メートル、深さ4メートルのプールの4箇所に取り付けられた装置が引き起こす波がプールの中央でぶつかり合う。

高さ1メートル以上にもなる水の柱に海上石油基地の模型が揺らぐ。

サンパウロ市の中心部から少し離れた丘の上に立つ国立サンパウロ大学(USP)に2009年12月に完成したの国営石油会社、ペトロプラスとUSPの研究拠点があります。

今後の深海油田開発にいかそうと、波の動きのシュミレーターや高性能コンピューターなどを備えている。

資源大国ブラジルには、鉄鉱石などの鉱物資源た大豆、牛肉、鶏肉などの食料、バイオ燃料。そして新たな深海油田「プレサル」の開発で、世界有数の産油国の地位をも狙っています。

「資源」に科学技術や製造業などが結びつき、国力を高める駆動軸を形成しているのです。

ペトロプラスはプレサル開発や製油所整備で2010年から14年までに220億ドル(約20兆円)を投資する計画を持っています。

プレサルはすでに確認された鉱区だけでも可採埋蔵量が最大100億バーレルにのぼる。
この大規模なプロジェクトを使って、USPのように先端技術の開拓をめざす例や、製造業では造船の振興につなげる試みなどが活発です。

ペトロプラスは、日本の南西石油を買収しており、その活用を産出する原油の対アジア輸出に打って出るようです。

鉄鉱石貿易量でも世界の3割を占めるトップのヴァーレが2010年4月にギニアの鉄鉱山権益の取得はブラジルにとって大きな一歩である。

食のほうでは、相次ぐ買収で「食肉世界一」を狙うのJBSです。
牛肉加工や輸出で力を蓄え、2005年ごろからアルゼンチンや豪州、米国などで同業者を次々と参加に納めています。

現在、計画しているブラジル国内での合併が実現すれば、売上げ高が300億ドル規模の巨大食肉企業に変貌して、世界一の米タイソン・フーズを脅かす存在になるでしょう。

資源需要が増すなかで、ブラジルは鉱物資源、石油、食料などで増産余地を残しており、その多くの資源の安定供給として、ブラジルの役割が重要性を増してくるのは間違いありません。


2010年10月にブラジル大統領選挙

ルラ大統領ブラジルは2010年10月、ブラジル最大のイベントである大統領選挙を迎える。
上下両院議員や一部の州知事なども改選期である。

10月3日の投票日を控え、選挙規程に従って半年前となる4月3日までに主要候補が相次いで公職を辞職。徐々に政治が熱を帯び始めている。

現職のルラ大統領の人気が高いだけに、大統領の路線継承を主張する与党に対し、野党も真正面からの与党批判は控えています。

日本の与党に比較できないほど、ルラ大統領の支持率は70~80%台で推移しているが、連続2期を限度とする憲法の規定で立候補ができない。

世論調査で35%程度の支持を集め、次期大統領候補のサンパウロ州知事を辞任した、野党のジョゼ・セラ氏は、2002年の大統領選でルラ大統領に敗れており、今回雪辱を期す。

ルラ大統領の後継を辞任するのが、3月末まで官房長官だったジルマ・ルセフ女史。
近年のがん治療を乗り越え初の女性大統領を目指している。

ジルマ・ルセフ女史は、軍事政権期は都市ゲリラに参加していた経歴もあり「鉄の女」のイメージが強く、世論調査では約5ポイントの差でセラ候補を追っています。

両候補の他には、「緑の党」からマリナ・シルバ元環境相が出馬する見通しである。
現政権でPTと連立をするブラジル社会党は独自候補の擁立を断念しており、この票がどの候補に流れるかも、選挙の行方を左右しそうである。

新大統領の就任は2011年1月1日。人気は2014年いっぱいで、サッカーワールドカップの本番に加え、リオデジャネイロ五輪の準備という大仕事に取り組むことになります。

いずれにしても、ブラジルの政治から目が離せないですね。


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